コロナウィルス:自衛隊の情報分析官

【JB press】記事より↓↓転載

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新型コロナウイルスが弱くなる環境、強くなる環境
自衛隊の情報分析官が世界の感染状況から鋭く指摘

私は、情報分析家として、新型コロナウィルス(以後、ウィルス)が
世界や日本で感染していることについて分析してみた。
すると、いくつかの不思議な点があった。

その不思議な点には共通点があると気づいた。
ウィルスが拡大しやすくなる環境、
あるいは感染しにくくなる環境があるように思えたのだ。

以下、具体的な例を列挙して述べる。

このことが感染を減少させ、効果的な対策の参考になればと願う。

ウィルス感染の不思議な点

ウィルス感染状況に不思議な点がある。
その点について考えられる原因・理由を分析する。

その1.春節時に多くの中国人が訪れたが、
日本各地で感染者が多い地域とそうでない地域がある。

気温が低い北海道では感染者が多く、北海道全域に広がっている。
だが、気温が比較的高い福岡や大阪は少ない。
沖縄も感染者が出たが少ない。

中国人が乗るクルーズ船が日本に最も多く入港するのが、
福岡県の博多港である。
上海から入港したクルーズ船1隻に4200人が乗っていた。

月当りのべ約20隻が入港しているにもかかわらず感染者が少ない。
外国人に人気の大阪でも中国人の観光客が多いが、感染者は少ない。

気温が低い地域で、ウィルスの感染が拡大しているようだ。

寒い北海道は、窓が2重ガラス、入り口も2重扉になっていて気密性が高く、
空気が入れ替わらず密閉された状態に近いものと考えられる。

密閉された室内では、ウィルスが繁殖しやすくなるのではないか。

その2.海外でも、気温の差によって感染拡大に差がある。
イタリアの北部ロンバルディア州では、感染が急増している。

ロンバルディア州の気温は低い。
例えば1月と2月の月平均最低気温を見ると、
ロンバルディア州のミラノでは-4.4度と-2.5度、
感染が少ないローマでは3度と3度だ。

多くの中国人が訪れる海外の観光地であっても、同じ国で気温の差があれば、
寒い地域では感染が拡大している。
比較的暖かい地域では感染が少ない。

参考までに、感染が爆発的に拡大した韓国の大邱(テグ)では、
-3.6度と1.6度だ。
感染源の武漢は、-1度と1度だ。

中国のビジネスマンがよく訪れるイランのテヘランでは、
感染者数に比して死者の数が多いが、
ー1度と1度だ。

その3.気温が暖かい世界の国々では、
感染者が一時的には増加したが、現在では減少している。

シンガポールでは、一時期感染者が90人を超えた。
しかし、その後の対処も適切なことにより、
完治者も多く感染者が著しく減少している。

タイでは、40人近い感染者が出たが、完治する人々も多く、
感染者は減少している。

ウィルスに感染していた多くの中国人が訪れた時期には、
その地に多くの感染者が出た。
その後、感染した中国人が来なくなれば、
その地の人々による感染拡大は少なかったのではないか。

それらの国々の対策も適切だったのかもしれないが、
30度を超える高温の地では、ウィルスは感染しにくいと思われる。

その4.関東の通勤帯の電車は、土日を除き毎日満員。

満員電車の人の顔の間隔は50センチ以下だ。
大阪も福岡も満員状態だ。
マスクをしないでくしゃみをする人、たまに咳をする人がいる。

このように悪い状況では、感染者が爆発的に増加してもよいはずだが、
それでも東京の感染者の数は、北海道よりも少ない。

外国人の観光客数を見ると、2018年の統計では東京都が1位、
大阪府2位、千葉県3位だ。

東京に通勤する満員電車を利用する人々から爆発的に
感染者が出てもいいはずだが、爆発的な数ではない。
想像よりもかなり少ない。

多くの人々からウィルスが発散されても、
列車のドアが駅ごとに開閉され、乗客の移動により、
列車内の空気が入れ代ると、ウィルスの数が減少し、
感染は減少するのではないか。

その5.横浜に帰港していた「ダイヤモンド・プリンセス号」は、
なぜ、感染者が爆発的に拡大したのか。
香港で降りた中国人が発生源とされるが、
感染が爆発的に拡大したのは、寒いからではない。

船内空気の入れ替えは外の空気と入れ替えるのではなく、
船の内部だけで還流する循環式だった。

中国国家衛生健康委員会は、新型コロナウィルスの感染ルートについて、
霧状に浮遊する粒子に混じったウィルスを吸引する
「エアロゾル感染」の可能性があるとの見方を示した。

この場合、「比較的密閉された環境で長時間、
高濃度のエアロゾルにさらされた場合に感染の可能性がある」
と指摘した。

また、中国政府現地調査チームのリーダー・鍾南山医師は、
便の中のウィルスが空気中に漂い、
エアロゾル感染が起きる可能性も指摘した。

獣医ウィルス学者である根路銘国昭氏が
「閉鎖した空間に感染者や発病者を閉じ込めるのは、
ウィルスを培養しているのに等しい」と述べている。

また、武漢大学中南医院の医療チーム14人が連名で、
米医学雑誌『JAMA』のオンライン版に、
「40人の医療専門家と17人の入院患者は院内感染が疑われる」
(2月16から17日)ということを述べている。

つまり、「比較的密閉された環境で長時間、
高濃度のエアロゾルにさらされた場合に感染の可能性がある」
と指摘した。

このことが、クルーズ船内で起きていたのではないだろうか。

その6.密閉した室内で活動すると感染が拡大する。
特に集団の場合には、急拡大する。

韓国大邱市の宗教団体で、多くの信者が集団で、
声を出してお祈りしていたことで、急激に多くの感染者を出した。

他に、1隻の屋形船で、感染の比率が高かった。
雨の日であり、窓も締め切っていたという。

2つの事例とも、完全に密閉状態であって、
感染が拡大した可能性がある。

その7.その他、温泉地での感染の情報が見られない。
なぜか?温泉地での感染情報は、ほとんどない。

ホテルの対策に効果があるのか、あるいはウィルスが
温泉の湯気やその温度には、耐えられないのではないだろうか。

和歌山の有田病院での院内感染の理由は、
診察室の気密性にあるのかもしれない。
今後の調査が必要だ。

新型コロナウィルスによる感染の共通点と対策

事例分析をまとめると、新型コロナウィルスは、
繁殖が弱まるケース、強まるケースがある。

そのケースには、新型コロナウィルスだけの特徴もあるし、
これまで日本で発症してきたウィルスと共通している特徴もある。

●中国人が訪れる都市は、気温が高い低いにかかわらず、
感染者が出ているが、その後、感染者が拡大しているかどうかを見ると、
比較的気温が低い地域の感染が拡大し、比較的気温が高めの地域の感染が抑えられている。

●多くの中国人が訪れていても、日本の暖かい地域、
例えば福岡や大阪では感染は少ない。

寒い地域特に北海道では、多くの感染者が出ている。
気温が上昇すれば、一般的なコロナウィルスと同様に、
感染が収まる可能性はある。

●世界や日本で、特に寒い地域では、
密閉した室内空間に感染者がいると、感染が激しく拡大する。

北海道では、2重窓で、入り口は2重扉になっており、
空気の入れ替えがすくないことが、
感染者を増やす原因になっているのではないか。

●通勤時の満員電車でも、感染者が爆発的に多く発生していない。
駅ごとにドアが開き、空気の入れ替えがあることで、
空気中のウィルスが薄まるのではないか。

一方、乗り物であっても、クルーズ船内は、
空気が船内を循環しているだけで、外の空気と入れ替えられていない。

政府の状況認識では、「空気感染は起きていない」という。

だが、中国国家衛生委員会は、
「比較的密閉された環境で長時間、高濃度のエアロゾルにさら
された場合に感染の可能性がある」と指摘している。

クルーズ船内で感染が拡大したこと、
寒い北海道や屋形船の感染が多いこと、
韓国の宗教施設での爆発的な感染があったことは、多くの人々
が密閉した空間にいると、ウィルスが繁殖するのではないか。

その際、空気感染が起きていると考えた方がよいのではないか。

一方、満員の通勤電車でも、駅ごとに空気が入れ代ること、
太陽の光が当たっていることから、ウィルスが繁殖できない、
ウィルスの密度が薄まるのではないか。

そのことで、満員電車でも爆発的な感染が起きていないと
考えた方がいいのではないか。

これらのことから、室内の空気を入れ替えること、
太陽の光を当てることが、感染を減らすことに役に立つと考える。

私は、医療関係者ではなくて、知識がないものが、
何を言っているのかと笑われるかもしれない。

しかし、医療の知識とは無関係で、感染の状況を比較分析してみると、
ウィルスが強くなる環境、弱くなる環境があると考える。

ウィルスが弱くなる環境を作り出すこと。
室内の空気を外の空気と入れ替えてみてはどうだろうか。
屋外のイベントでの感染確率は低いのではないだろうか。

検証してみる価値はある。